鴨居大室港五郎丸 午前タチウオ釣り

 

釣り人にとって気難しい魚を釣る時ほど慎重になるもの。数日前から行く予定の船宿の釣果情報や定休日、潮具合や海水温など色々な要素を吟味しつつ、「明日なら釣れるゾ」と確信を持って意気揚々と船に乗り込む。今回は釣り部後輩の栗原君を半分強引に誘っているため、特に熟慮したつもりだった。それを平然と裏切るのが難敵、タチウオである。別名、幽霊魚とも呼ばれ、突然食い気がなくなる不思議な魚でもある。

 

8月29日は火曜日。久しぶりに釣りを楽しもうとした栗原君を完膚なきまでに叩きのめしたタチウオが憎い。とっても、だ。乗り込んだのは鴨居大室港の五郎丸。午前タチウオ船である。当日は南西風が少し吹いたが、曇天で少し涼しいほど。真剣にタチウオに立ち向かうには最適な釣り日和と思えたのだが。出船は午前7時15分。ほぼ定刻に港を後にして向かったのは観音崎沖。南西風を観音崎の山々が遮ってくれるため波立ちは少ない。

 

約20分で最初のポイントに到着したものの5分程度群れを探索し、午前7時45分頃に仕掛け投入の合図が船長から出された。「水深は70m、65mから20m上まで探って下さい」。一斉にオモリ60号の1本針仕掛けを海中に投入して、釣り開始。道糸がPE2号限定でそれ以上は80号とのこと。私は超小型電動リールにPEラインを200m巻いてあるため速攻で底立ちを取りつつ、下から誘いを入れる。一方、タチウオ初挑戦の栗原君は最初持参した少し年季の入った2.4mのロッドを振っていた。オモリが80号で2.4mでは体力的にもチト辛いものがある。途中から私が持参した手巻きリールの1.8m万能ロッドに替えて釣りを続けてもらった。

 

私は一投目で幸先よく全長84cm(後検寸)の本命をキャッチできた。メーター読みで水深約52mでグググっと強く突っ込んだので強く竿を煽ってアワセを入れた。これなら今日はそこそこ釣れるのでは、と思ったのが甘かった。アタリは出るのだが、食い込みの強くなる掛けるタイミングがないのだ。リールを3分の1回転巻いて、シャクる。竿先を海面に下げつつ1秒待ってからまた軽くシャクる。シャクる幅は30〜40cm前後。シャクる速度に変化をつけながら、45m前後まで誘い続けるが、難敵タチウオは餌のサバの短冊を追い掛けてこない。もちろん、朝から1時間前後まではそこそこ活性は高かったが、食い込みアタリが出ないため、強くアワセることができない。

 

私が座った左舷トモの常連さんは活性が低いタチウオを狙う時に使う秘策を使っていた。電動リールの巻き上げ速度を極スローのまま巻き上げるスタイルである。それでもアタリが出る回数は少なく、竿先が突っ込む食い込みまでが来ない。典型的な激渋りの時間は、9時前から続いた。

 

栗原君も丹念に誘いを入れながらマメにエサの確認をしていたようだが、なかなかアタリが出ない様子。船長が「移動するので上げて下さい」といったタイミングでリールを手で巻き始めた途端にガツンと針掛かりした感じ。軟調子の万能ロッドが大きく弧を描きながら釣り上げたのは指4本サイズの良型タチウオだ。とりあえず、ボウズ脱出でひと安心。一番胸を撫で下ろしたのは私だったかもしれない。

 

その後、船長は転々とポイントを移動する。観音崎沖から走水沖、猿島周辺も探っていた。指示ダナは浅い場所で50m前後。深くても70m弱だった。「底から20mまで誘って」という合図が出されてもタチウオは気紛れなので上下5mまで誘い続けた方が良い場合もある。餌を見続けてジックリと追い掛けて最後に食い付くケースもあるからだ。

 

一般的に夏タチウオは8月下旬なら水深30mから上で掛かることが多い。高活性なら10m未満でも針掛かりする。これが反対に当日のような低活性の喰い渋りになると、もう何をやっても喰ってこないのだ。これが幽霊魚と呼ばれる気難しい魚の所以である。

 

こうした時に最低限試しておきたいことはハリスを細くして、長くすること。当日はハリス8号の太いハリスに2mの長さを使い続けてしまった。これを5号ハリスに3mに長くしたらもしかしたら喰ってきたかもしれない。分かっていても試さなければダメである。誘い方を微妙に変えれば喰ってくるだろう、餌を新しく変えれば掛かるかも。といった「だろう釣り」は低活性のタチウオには通用しないと思った方がいい。とにかく、できる限りの対応策をコマメにやってみること。これしかない。試してダメなら諦めもつくがやってみなければ分からない。次回、再挑戦した時にはぜひ試してみたい。そのためには釣行前の準備万端が不可欠である。

たぶん、栗原君も納得のいく釣りとはいえないはず。次回の挑戦を心待ちにしています。難しいから面白い。タチウオの人気はココにあるのだ。

 

因に、前日の同宿のトップは31匹、当日は船中トップが5匹、私と栗原君は1匹でスソ。翌日はトップ20匹以上だったとか。谷間に釣りに行ってしまったわけである。トホホ。

 




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