長井港仮屋ボート サビキ五目釣り

ここ数ヶ月、大好きなボート釣りに行けていない。勝手気侭な手漕ぎボートは天候に左右されることが多く、天気が良くても風が吹くと出航中止になることが多い。しかも、仕事の都合や用事が重なることも多く、タイミングが難しかった。なんとか運良く天気の良い9月21日の木曜日に長井港の仮屋ボートから青物狙いで漕ぎ出せた。当日は朝から晴れで風も北風微風。最高気温が前夜の天気予報で29度になるとか。真夏日一歩手前である。

朝飯を佐島付近の牛丼店ですませ、林ローター近くの釣餌店(活きエサの徳丸)で冷凍アミコマセ1kgを320円で購入して、現地に到着。時計の針はすでに7時をとうに回っていた。港内の駐車スペース(無料)にとめて、支度をしてボートに乗り込んだ。前夜に電話を入れてボート店主に「水深25m近くを狙うのでアンカーロープは40m以上欲しいです」と伝えておいた。ツブ根の北側にあるカケサガリの岩礁帯に到着できたのは8時の15分ほど前。だが、アンカーを投入するには風向きや潮流を考慮する必要があり、到着直後はほとんど風はなかったが、大潮3日目だけに潮具合が読めない。まずはオモリ50号だけを投下して水深をリールの道糸でチェック。確実に水深が25m以上ある場所を確認。その際に潮の流れ具合も探りつつ、アンカーを投入したのだが。

コマセにアジパワーというマルキューの集魚剤を1袋混ぜて、汁気を除去してから詰め込んだ。オモリが着底して2mほどリールを巻いてからアタリを待つと、すぐにグググっと竿先に反応が出た。これは幸先の良いスタートかと思ったらなんとハリスが切られているではないか。2投目になって憎き犯人の正体が分かった。全長30cm近いシロサバフグである。フグは一般的に定着性が強く、広範囲に移動をしない習性があるという。つまり
群れでこのフグがいれば仕掛けはいくつあっても足らない。ハリス切れで使い物にならなくなるからだ。そのとき既に40号のオモリを1個、切られて紛失している。

対応策はポイントの移動しかない。重たいアンカーを引き上げて漕ぎ出したが、山立てをするにも朝からモヤが掛かって岸側の景色が判然としない。長井港の赤い灯台や佐島沖堤防の白灯台など知っている山立て知識をフル動員して、場所を決定した。再度水深をチェックすると29m前後とやや深くなった。それでも風がないため40mのアンカーロープは半分も出て行かない。そのためか、ボートはゆっくりと移動する感じ。ここで少し粘ってみようと2本目の竿を出したのが良かったようだ。1本目の竿にはハリス4号のサバ皮サビキをセットしてオモリは40号だか、針数はフグの被害で3本に。2本目の棹には安価なバーゲン品のピンクスキンサビキを結んだ。ハリスは2号6cm。5枚1パックのバーゲン品である。

午前10時20分頃、穂先がお辞儀をして、何やらアタリが訪れた。ただ、強い引きはない。海面に顔を出したのはなんとウルメイワシ。しかも6本針に4点掛けだからそこそこの重量にはなる。最初はこれは泳がせ釣りの餌にしようと考えたのだが、実際にはアンカーを投入しての掛かり釣りだから断念。流し釣りができないわけではないが、コマセ釣りの場合、一点に集中してコマセを撒いて魚を寄せるために流し釣りをすればその効果が極端に落ちることになる。つまり、どちらにウエイトを置くのかを明確にしないと「虻蜂取らず」「2頭を追うものは1頭も得られず」というハイリスクな釣りをすることになるからだ。

結局、流し釣りはせずにコマセサビキで粘ることに決定。のんびりとした釣りが好きな筆者にはその方が似合っているのだ。しかも、その後にラッキーなハプニングが訪れた。当日の潮変わりは午前11時30分頃。干潮から上げ潮に変わった直後にサバ皮サビキの竿に強烈なアタリがきた。穂先が海面に突っ込み、竿全体が弧を描きリールはドラグが滑り、ハンドルを回しても道糸は巻かれない状態が何度かあって、やっと海面直下に赤い魚体が顔を見せた。正真正銘のマダイである。全長は後検寸で28cmだったが、強い引きは充分堪能できた。

その後は相変わらずウルメイワシが多点掛けとなるシーンが何度もあり、数は延ばせるが
魚の引きは楽しめない。少し仮眠をしたくなり、ボート内で寝転んで10分ほど寝込んでしまった。穂先だけは目視確認していたつもりだが、ピンクスキンの竿がカダカダと震えるような音に目が覚めて、リールを巻いてみると強い引きではないが、重量感のある突っ込みが途中で2回ほどあり、浮かんできたのは全長32cm(後検寸)のワカシだった。なんと2本の針を飲み込んでいたからたぶん掛かったイワシを喰ったわけではなさそう。ワカシはピンクスキンがお好みだったということだろう。ハリス2号でも2本の針を飲み込んでくれれば案外簡単に釣れてくるもの。果報は寝て待て、てことなのかどうか。

もうひとつ驚いたのはウルメイワシの高活性具合、貪欲な食欲だ。とうとうコマセが底をついてコマセなしの状態で仕掛けを降ろしてみたところ、おかまいなく多点掛けで釣れてくるではないか。タナは海底から2m前後。遊永層が合致すれば針掛かりしてくるという感じ。3点掛け前後だが、ピンクスキンが好みのようでサバ皮にはたまにポツリと掛かる程度。不思議だが、当日の潮の濁り具合やピンクスキンの色にも好反応を示したということである。サバ皮のハリスは4号だったこともあり、一概に比較できない。

午後2時10分に港に着岸。ボート店主に写真撮影に協力してもらい、ニコパチも無事終了。自宅に戻って、ウルメイワシは酢みそ和えと梅干し入りの生姜煮で舌鼓をうった。
ワカシは当日に刺し身に、マダイは一晩寝かせて翌日刺し身にした。どちらも絶品の味覚に酒量が増えてしまったことは言うまでもない。ボート釣りの魅力はやはり自分の狙った場所で目的の本命魚を釣り上げることで満足感を得られるもの。もちろん、大物ならもっと嬉しいのだが、ポイントの選定から釣り方の決断など自分の経験と腕が試される、原始的な釣りなのかもしれない。小田和湾の海と自然に感謝する気持ちを今回ほど強く感じたことはない。次回のボート釣りには新調したロランスの魚探をぜひ試してみたい。

 




片瀬漁港島吉丸 カワハギ釣り

 

毎年秋が深まる前に釣っておきたい魚は数多くあるが、特にカワハギは10月中旬以降になると15cm弱のワッペンと呼ばれるミニサイズが増えてくる。その前に良型をサクッと釣っておこうと思って出掛けたのが9月10日、片瀬漁港の島吉丸のカワハギ釣りであった。ところが、想定外の「もうワッペンがいるのか」とガックリ。しかも、海面で全長25cmオーバーのギガサイズをバラしてしまい、ショックを最後まで引きずった。

 

当日は天候の良い凪日和。朝から晴れていて風もない夏日に。こうなると船中は右舷だけ出11人の乗船客。たぶん両舷で20人以上の大盛況だったに違いない。私が座った右舷胴の間の左隣し多摩市から来たという上田さんご夫婦。右隣は小学3年生で9歳の五十幡日向君とそのお父さんの家族連れで賑わっていた。

 

まだ海水温が高い時期だけにベラ類やトラギスといったエサ盗りゲストが多い時期だけに私は普段は装着しない中錘と集魚板をつけて点々と散らばっているカワハギを寄せて釣ろうと考えた。ところが、他の釣り人たちもそんなことは先刻承知で個性的な最新の集魚アイテムを装着して仕掛けを投入。最初のポイントは港から10分の江ノ島裏。水深18m前後からスタートした。

 

予想通りのトラギスとベラのオンパレードは約1時間近く続いたが、腕のある常連はそんなゲストを避けつつも、ポツポツと本命のカワハギを釣っていた。私はというと相変わらず誘い方に手が合わず苦戦。やっと本命が釣れたのが開始から1時間経ってからという、いつものドン臭いスタイルだ。25号の白塗りの球形オモリが海底に着底すると同時に竿先をスッと大きく1mほど上げてから少しずつ穂先を揺らしながら仕掛けを下げて行く。これはカワハギが仕掛けをめがけて寄ってきていることを想定して、上から少しずつ餌のアサリをみせながら誘い、最後にオモリを底に着けてカワハギの頭を下げて喰わせる方法を得意としているのだが、どうも近づいているのが前述のベラとトラギス、キタマクラばかりという結果に辟易することに。

 

それでも、マメに餌を付け替え、針&ハリスを交換しながらなんとか2匹目を釣り上げたらこれが哀しい「ワッペン」とくれば悔しいこと甚だしい。14cm足らずのサイズはさすがにリリースするしかない。9月初旬にも関わらず江ノ島裏には早くもワッペンが出現するとは、ちょっと想定外であった。一般的にはワッペンは10月下旬頃から増えてくるモノと考えていたからだ。エサ盗りの雑魚に加えてこの類が多いとなると当然エサの消耗も激しくなる。

 

船長は「昨日はここで結構良い型が数釣れたんだけど、今日は潮が逆なんだよね」と渋い顔。それでも、時折、強烈な引きで良型を抜き上げる場面もあり、カワハギの型は大小入り交じる感じで釣れている。午前10時30分頃から南風がそよそよと吹き始めた頃についに今日一番のゴンゴンゴンという強烈なアタリがきて、リールを巻き始めると海面近くで左に走り、浮いてきたのが目検討で25cmオーバーのギガサイズ。これはさすがに怯んだが、エイヤッと抜き上げようとした瞬間にハゲ針が抜けてしまって痛恨のバラしに。船長は「タモ入れを待ってくれれば掬ったのに」と言われたが、もう後の祭りでしかない。悔しいというより強烈な引き味に興奮して数分間は呆然としてしまった。

 

掛かっていた箇所のハゲ針5号が延ばされて、間抜けな形に変形していた。いままで針が延ばされるほどのギガサイズを釣った経験がないだけに一種感動的でもあった。右隣の五十幡さんには「30cmはあったように見えたけど」と言われ、改めてギガサイズは「抜き上げ禁止」と痛感した。針の掛かりどころはもちろんだが、針が抜き上げ直後に延ばされることがあるということを体験できたのは貴重かもしれない。今後の良い教訓として頭に刻んでおこう。

 

その後は1匹追加できたのだが、これがまた情けない。竿の脱落を回避するために落下防仕用のリーダーを装着していたので安心して、トイレに行った。まさにその数分の間に「ゴンゴンと竿が曲がってから巻き上げておいたよ」と仲乗りさんに言われて苦笑い。あれほど誘いが上手く行かなかったのに底上げ2辰里泙淬峇箸砲靴浸迭櫃韻剖瑤辰討るとは。嬉しいやら恥ずかしいやらでもう笑うしかなかった。それが2匹目だからなおさらである。恥ずかしながらワッペンサイズのリリースは合計3匹。

 

南西風が少し強くなり始めた午後2時に沖揚がり。船中の釣果は1〜15匹。お父さんと一緒に釣りにきていた五十幡日向君はまだ9歳だというのに良型カワハギを2匹釣り上げて嬉しそう。「もう3〜4年ほどカワハギ釣りはしてます」というお父さん。アサリの餌付けから誘い方までお父さんからの指導よろしく、将来有望なプロアングラーになるだろう。その日向君が2匹、私は沖揚がり直前に釣った15cmを最後に3匹で終了。ここまで貧果が続くと「もうカワハギ釣りは辞めた方がいいのかな」とその夜、肝和えを晩酌に真剣に悩んでしまった。修行が足りないだけなのだろうか。ウ〜ん、どうなのだろう。やるべきことはやっているつもりなのに‥…。

 




鴨居大室港五郎丸 午前タチウオ釣り

 

釣り人にとって気難しい魚を釣る時ほど慎重になるもの。数日前から行く予定の船宿の釣果情報や定休日、潮具合や海水温など色々な要素を吟味しつつ、「明日なら釣れるゾ」と確信を持って意気揚々と船に乗り込む。今回は釣り部後輩の栗原君を半分強引に誘っているため、特に熟慮したつもりだった。それを平然と裏切るのが難敵、タチウオである。別名、幽霊魚とも呼ばれ、突然食い気がなくなる不思議な魚でもある。

 

8月29日は火曜日。久しぶりに釣りを楽しもうとした栗原君を完膚なきまでに叩きのめしたタチウオが憎い。とっても、だ。乗り込んだのは鴨居大室港の五郎丸。午前タチウオ船である。当日は南西風が少し吹いたが、曇天で少し涼しいほど。真剣にタチウオに立ち向かうには最適な釣り日和と思えたのだが。出船は午前7時15分。ほぼ定刻に港を後にして向かったのは観音崎沖。南西風を観音崎の山々が遮ってくれるため波立ちは少ない。

 

約20分で最初のポイントに到着したものの5分程度群れを探索し、午前7時45分頃に仕掛け投入の合図が船長から出された。「水深は70m、65mから20m上まで探って下さい」。一斉にオモリ60号の1本針仕掛けを海中に投入して、釣り開始。道糸がPE2号限定でそれ以上は80号とのこと。私は超小型電動リールにPEラインを200m巻いてあるため速攻で底立ちを取りつつ、下から誘いを入れる。一方、タチウオ初挑戦の栗原君は最初持参した少し年季の入った2.4mのロッドを振っていた。オモリが80号で2.4mでは体力的にもチト辛いものがある。途中から私が持参した手巻きリールの1.8m万能ロッドに替えて釣りを続けてもらった。

 

私は一投目で幸先よく全長84cm(後検寸)の本命をキャッチできた。メーター読みで水深約52mでグググっと強く突っ込んだので強く竿を煽ってアワセを入れた。これなら今日はそこそこ釣れるのでは、と思ったのが甘かった。アタリは出るのだが、食い込みの強くなる掛けるタイミングがないのだ。リールを3分の1回転巻いて、シャクる。竿先を海面に下げつつ1秒待ってからまた軽くシャクる。シャクる幅は30〜40cm前後。シャクる速度に変化をつけながら、45m前後まで誘い続けるが、難敵タチウオは餌のサバの短冊を追い掛けてこない。もちろん、朝から1時間前後まではそこそこ活性は高かったが、食い込みアタリが出ないため、強くアワセることができない。

 

私が座った左舷トモの常連さんは活性が低いタチウオを狙う時に使う秘策を使っていた。電動リールの巻き上げ速度を極スローのまま巻き上げるスタイルである。それでもアタリが出る回数は少なく、竿先が突っ込む食い込みまでが来ない。典型的な激渋りの時間は、9時前から続いた。

 

栗原君も丹念に誘いを入れながらマメにエサの確認をしていたようだが、なかなかアタリが出ない様子。船長が「移動するので上げて下さい」といったタイミングでリールを手で巻き始めた途端にガツンと針掛かりした感じ。軟調子の万能ロッドが大きく弧を描きながら釣り上げたのは指4本サイズの良型タチウオだ。とりあえず、ボウズ脱出でひと安心。一番胸を撫で下ろしたのは私だったかもしれない。

 

その後、船長は転々とポイントを移動する。観音崎沖から走水沖、猿島周辺も探っていた。指示ダナは浅い場所で50m前後。深くても70m弱だった。「底から20mまで誘って」という合図が出されてもタチウオは気紛れなので上下5mまで誘い続けた方が良い場合もある。餌を見続けてジックリと追い掛けて最後に食い付くケースもあるからだ。

 

一般的に夏タチウオは8月下旬なら水深30mから上で掛かることが多い。高活性なら10m未満でも針掛かりする。これが反対に当日のような低活性の喰い渋りになると、もう何をやっても喰ってこないのだ。これが幽霊魚と呼ばれる気難しい魚の所以である。

 

こうした時に最低限試しておきたいことはハリスを細くして、長くすること。当日はハリス8号の太いハリスに2mの長さを使い続けてしまった。これを5号ハリスに3mに長くしたらもしかしたら喰ってきたかもしれない。分かっていても試さなければダメである。誘い方を微妙に変えれば喰ってくるだろう、餌を新しく変えれば掛かるかも。といった「だろう釣り」は低活性のタチウオには通用しないと思った方がいい。とにかく、できる限りの対応策をコマメにやってみること。これしかない。試してダメなら諦めもつくがやってみなければ分からない。次回、再挑戦した時にはぜひ試してみたい。そのためには釣行前の準備万端が不可欠である。

たぶん、栗原君も納得のいく釣りとはいえないはず。次回の挑戦を心待ちにしています。難しいから面白い。タチウオの人気はココにあるのだ。

 

因に、前日の同宿のトップは31匹、当日は船中トップが5匹、私と栗原君は1匹でスソ。翌日はトップ20匹以上だったとか。谷間に釣りに行ってしまったわけである。トホホ。

 




長井港儀兵衛丸 午前ショートカワハギ釣り

 

毎月20日締め切りの仕事があり、それを無事に終えるとしばし解放感に浸れるので夏のカワハギ釣りを短時間で楽しもうと乗り込んだのが8月22日の長井港儀兵衛丸の午前ショートカワハギだ。午前6時に出船して沖上がりが10時という正味4時間足らずの真剣勝負。といっても、夏のカワハギは群れが転々と散っているため基本的に拾い釣りとなる。だが、嬉しいのは良型が多く、ワッペンが混じらないこと。その反面、水温が27度近くもあるためどうしてもエサ盗りの雑魚が多い。当日もトラギスとベラは数多く釣れた。

 

天候は南南西の風速3〜4m前後の薄曇り。南西風に弱い相模湾だが、最初のポイントは港から10分程度の近場からスタートだから不安はない。水深は15m前後と浅い。左隣の女性アングラーが最初に釣り上げたのはマダコだ。「なんか違うアタリだったから何かな」と思ったという。それでも、彼女はすぐに本命カワハギを釣り上げて嬉しそう。手慣れた手返しと繊細な誘いで熟練度は高い。

筆者も釣り開始から10分足らずで1匹目を釣り上げた。全長20cm前後のこの時期としてはレギュラーサイズ。さい先の良い釣れ具合から「今日はそこそこ釣れそうだ」と甘く考えたのが運のツキ。その後はアタリが出てもすべてトラギスばかり。最初の1匹がベタ底で掛かってきたため底狙いで攻めたのが敗因かもしれない。エサは冷凍アサリの消耗も激しく、餌付けに時間を取られ、ゲストの猛攻で鈍った針先を考慮して頻繁に針&ハリスの交換にも手間取る。

 

私の朝方の釣り方はこうだ。オモリが着底したら速攻で仕掛けを1mほど巻き上げから少しずつ竿先を揺らしつつ段階的に下げて行き、最後は底に着けてアタリを2秒間待つ。中錘は中盤頃まで付けずにアタリを重視して誘い続けたが、とにかく底に仕掛けが付くとトラギスが掛かってくる。それも良型だから始末が悪い。引き味はそこそあり、カワハギではないことが分かっても仕掛けを回収しなければ餌の付け直しができない。そんなロスタイムを続けていると、左の女性アングラーは良型を連発したり、静かな誘いから釣り方を盗もうとジっと目を凝らす場面もあった。

 

残念なことに彼女は「顔出しNG」ということで写真撮影はできなかった。一緒に彼女と乗り込んだ大阪府吹田市の中村さんは「出張のついでにどうしても長井沖でカワハギが釣りたい」ということで仕事の合間を縫って訪れた様子。船中最大の29cmを釣り上げたのがその中村さんだ。「海面で抜き上げる時にちょっと怖かったですね、バレてしまうんではないかと」と不安になるほどの良型だった。

 

私はというと、6時20分頃の1匹目からまったく釣れずに9時頃になってやっと2匹目、その後3分後に3匹目。これで打ち止めという情けない釣果となってしまった。中村さんは6匹、同乗の女性アングラーは9匹、トップは右舷の釣り人が12匹。そう、私がスソということ。正味4時間足らずの釣りとはいえ、何年もカワハギ釣りをしてきて船中スソというのは情けない。

 

反省材料はいつくかある。群れが散っているこの時期はカワハギに餌の存在をアピールするためにもっと目立つ集魚板や派手なオモリを使うべきだったこと。誘い方も単調だったのも悪かったのかもしれない。

 

船長は転々とポイントを移動して、浅い場所では水深11m、深くても23m前後を攻め分けてくれた。根が点在する場所では「ここは根がキツいから根がかりに注意して」という親切なアドバイスもしてくれる。短時間勝負のショートカワハギ釣りは神経を集中してカワハギ釣りを楽しむ絶好の宿として高く評価したい。私の修行がまだまだ足りないためスソになってしまったが、個人的には「あと2匹は釣りたかった」というのが正直な感想だ。アタリがあっても掛けられなかったシクジリの数字が2回ということである。

 

驚いたのは自宅に戻ってカワハギを捌いてみた時のこと。8月だというのにキモがしっかり育っていて絶品の肝和えを食べられたこと。これは個人的に嬉しい限り。さらに、真子と白子も入っていて、初めて生で食したが左党には堪えられない味覚であった。甘みと食感はたぶん季節限定のモノであろう。一般的にはカワハギの産卵は終了しているはずだからラッキーということである。これからカワハギは数釣りのシーズンに入って行くが、ワッペンが増える10月後半以降は他の釣りに変えようかとも思っている。

 




葉山あぶずり港愛正丸 カツオ&キハダ釣り

 

「山の日」に制定された8月11日、東京の最高気温は8月としてはとても涼しい24度となった。朝から北東の風と曇天で時折霧雨が降り続ける生憎の天候だったが、「大人の遠足」で葉山あぶずり港の愛正丸に乗り込んだ12名は意気揚々だった。狙いはこの時期の人気魚であるカツオ&キハダマグロである。気紛れ回遊魚だけにギャンブル性は高いが、釣れれば強烈な引きと夏らしい味覚を同時に満喫できるとあって出船1時間前にはほぼ全員が集合して、タックルの準備に余念がない。驚いたのはお盆休みの3連休のため混雑は予想できたのだが、駐車場が1時間前には満杯。駐車場の管理人が「もうこれ以上は入らないな、後は隣の有料駐車場に入ってもらうしかないよ」と頭を抱えていたこと。年に何回もない究極の過密状態となった。

 

定刻より少しだけ早く皆とを後にした愛正丸は一路平塚沖を目指した。なんでも沖のパヤオにカツオが大挙して回遊しているという。ナブラを探すより効率が良い。約1時間のクルージングで現着してみると、なんと総勢30隻以上の大船団が形成されていた。釣り開始は協定で7時からと決められているらしい。指示ダナは最初20m前後だったが、すぐに「15mに良い反応が手でいるよ」ということで15mでアタリを待つ。潮は速くないが、カツオの活性は低いようだ。8時を過ぎても船中誰の竿も曲がらない。

 

筆者のタックルはPE8号を800m巻いた大型電動に古いビシアジ竿の組み合せ。仕掛けはハリス16号3mにヒラマサ14号の大物狙いの針をセット。といっても基本は市販仕掛け。コマセはオキアミ。分量は3kgが決まり。付け餌もオキアミだ。付け方は自由だが、回遊するカツオの目に付くように3〜4尾を針に刺して、投入。コマセを振った時に1匹が脱落しても気にしない。マダイ釣り時のようなエサ盗り魚はいないから問題はない。

 

だが、カツオの活性が低い時にはやはりハリス号数は12〜14号程度が良かったようだ。ただし、ハリス長は3m以上に長くすると取り込みが大変になるので要注意。船長によっては「2mでも喰ってくるよ」という。船中最初に釣り上げたのは私の左隣の小幡夫人だった。慣れた感じのヤリトリではあったが、やはり最後の取り込みは苦労していた。海面直下を右往左往する速度が半端ないのだ。縦横無尽に暴れ回るカツオをタモに収めるのは大変。中乗り役の干野さんが素早くタモにいれてくれたのは後計測57cmの大物。腹はパンパンに膨れていかにも美味しそうだ。

 

8時40分頃から船中ポツポツとアタルが単発である。しかも、針の掛かりどころが悪いと海面でバレてしまう。水深15mでヒットするため強烈なパワー無謀とも思える暴れ走りでタモ入れまで辿り着くのも一苦労である。ビシが上がっても釣り人が道糸を手にできないことが多い。中に舞うビシを船中に取り込むだけで数秒間は掛かるからだ。船長は「頭を出せ、浮かせろ」と叫ぶが、思うようにならない。一瞬海面を飛ぶ姿が見えてもパワーは落ちない。浅い場所で掛けているため簡単には弱らないということだ。

 

私が運良く掛けたのは朝の時合が終わりかけていた9時40分頃。いつも130号のビシを振っている硬めのアジビシ竿がズッドンと海面に突っ込んだ。合わせを入れる間もなく、速攻で電動のスイッチをフルに回してヤリトリ開始。といっても15mだからすぐに浮くのだが、残り5m前後の攻防が魚との勝敗を分ける。右に左に回るかと思うと前に突っ込み、手前に来ることもありタモを手に持つ干野さんも目まぐるしく対応する。やっと収まったカツオは後計測52cmの2.2kgで当日として良型と思われた。素早く写真撮りを終えて血抜きも怠りない。今年も絶品の刺し身とタタキ、漬けも食べられるとひと安心。季節限定の貴重な鮮魚といっていい。

 

その頃になるとすでに船中ポツポツと取り込み、クーラーBOXに6本ものカツオを収めたのは左舷大ドモに座った小幡夫人のご主人。途中、夏の風物詩でもあるシイラもキャッチして楽しそう。とにかく、アタリが頻繁に訪れていた。使っている仕掛けを聞いてみたところ「ハリスは12か14号、ハリは小さいです。ワラサ用の10号程度です」という。活性が低い時は潮の流れに逆らわず自然に浮遊する小さい針が良いということだろう。餌付けも大きく付けずに針に沿った1匹掛けだったとのこと。

 

午後2時に沖揚がり。船中ゼロは1名だけ。誰とは言わないが、途中船酔いで数時間マグロ状態になった1人だけ。それでも2回のヤリトリはあっとというから決して喰い渋りではなかったのかも。船中0〜6本、私は貴重な1匹で満足した。ただ、アタリはもう1回ぐらいは来て欲しかった。ハリス16号を終始使っていたのが敗因かもしれない。活性が高ければ20号でも喰ってくるという話は聞く。だが、喰い渋りの時間帯には12号程度まで落としてみるのもひと工夫。ハリス長は長くても3mまで。2.5mでも食い気には影響しないと思う。後は餌の付け方かもしれない。今回も色々と課題の残った釣行となった。

 

自宅に戻ってその晩に口にしたカツオは絶品。夏の思い出を味覚でも満喫できた。生卸しニンニクとたっぷりの卸し生姜に刺し身用の醤油を皿にたっぷりと注いで頬張る瞬間が至福である。塩分取り過ぎは良くないが、コレばかりは譲れない。釣り人の特権、まっしぐら。今日で釣ってから4日目だが、漬けはまだ旨い。身が締まって別の魚を食べている感覚になる。今年はもう1度、カツオ狙いで船上の人になろうかと検討中である。

 





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