片貝港南新堤 釣り場ガイド

 

3月24日、約5年振りに訪れた片貝港。実は沖釣りで悲惨な釣果だったこともあり、何か獲物を多く持ち帰りたかったこともあって、片貝港の南西方向にある南新堤の実釣調査をしてみた。何が釣れているか、ということ以外に釣り禁止エリアや堤防の拡張工事が進行しているのではという点が気になったからだ。

 

昼過ぎになると天候も晴れ間が広がり、波風も弱くなってきた。だが、4日間近く続いた時化の海は正直だ。海をみればそのきつい濁り具合がすべてを物語る。ウネリが残っているのは当然だが、海底が砂地帯だけに泥水のような薄汚れた水色が目に飛び込んでくる。楽しんでいるのはサーファー連中だけ。

 

南新堤の付け根付近から釣り人に声を掛けてみる。「何か釣れましたか」と聞くと大半の人が「何も釣れていません。今日はダネですね」という。見るからに味噌汁を箸で掻き混ぜたような泥水のような色だけに魚は釣れていない。活性が高いとか低いという次元ではなく、いわゆる「底荒れ」状態が数日間続けば仕方のないこと。

 

それでも「今の時期は何が釣れますかね」と聞くと「ぶっ込みでセイゴかフッコかな」という。私が「投げ釣りでイシモチは釣れませんか」と問いかけると「まだ時期が早いよね。4月下旬か5月GW頃にならないと」と教えてくれた。

 

南新堤は堤防中央付近でも足下の水深は3m前後しかない。海底は広い範囲で砂地帯である。しかも、暖かい季節になれば地元以外からも波を愛する根っからのサーファーが集う場所だ。とすれば、投げ釣りにしろルアーフィッシングにしろサーファーに要注意ということになる。サーファーがいるからと言って決して釣れないのではなく、時化後の底荒れときつい濁りが魚の活性を下げているということ。

 

水温が突然2度以上も上昇したりすれば沖の魚やイカも口を使わなくなるもの。適度に安定した水温と海況にならないと陸っぱりでは釣果は期待できない。ルアーや投げ釣りだけでなく、ウキ釣りやサビキ釣りでも魚は釣れないのだ。自然相手の釣りという趣味はある意味潮任せという点が大切だ。天気が良くなり、陸上が暖かくなったからといって海の中とは違うということを充分知っておくことが重要だ。

 

一番確実な情報を持っているのは地元の釣具店。時化の数日後に行くにしても、事前に釣具店に電話を入れて最新情報を仕入れておくことが欠かせない。餌やコマセだけでなく、どんな釣り方で釣れば確実に魚をキャッチできるのか、具体的に聞いておいた方がいい。できれば釣行の前日ではなく、3日ほど前から釣果情報は広範囲にチェックしておくこと。3店鋪ぐらいに情報を確認すれば信憑性も高くなる。

 

こうした熱意が功を奏することもある。高級なブランド竿やリールを購入しなくても、釣りに対する飽くなき情熱と研究心さえあれば夢は実現できるはず。南新堤で70cmオーバーのシーバスを釣ることもできるのだから。

 

ひとつ注意しておきたいことがある。この堤防では、「ギャング針を使った釣り」と「投網」は使用禁止となっている。この二つの釣り方をしなければ他の釣り方は許可されているということ。南新堤の付け根付に掲げられた新しい看板を見つけたからだ。私の記憶が正しければ5年前にはなかった注意事項である。この堤防で長く釣りを楽しみたいと思うなら絶対に守って欲しい。

 



片貝旧港第一二三丸 キンメダイ&ヤリイカのリレー釣り

 

1日に2魚種を狙い分けるリレー釣りはお得感がある。しかも、キンメダイとヤリイカのリレーとくれば興味が沸かないはずがない。片貝旧港にある第一二三(ふみ)丸の小倉船長がその指南役だ。

 

足を運んだのは3月24日の土曜日。だが、出船がなんと午前4時というから自宅を前夜の午後8時30分に出発し、片貝旧港に着いたのは午後11時過ぎ。車中で仮眠を2時間ほど取ってから乗り込むと、船中はすでに満席状態。片舷6人、両舷で12人の「ヤリキン」ファンを乗せて午前4時に港を出航した。最初にキンメを狙うのだが、そのポイントまで要する時間は2時間だ。風は強くないもののウネリが残り、揺れ幅は想像以上に大きい。

 

外房特有の壁のような波が容赦なく船体を打ち付ける。それでも船長はウネリを上手くかわしながら航行するため波飛沫はわずかしか掛からない。暗闇の中を走り続けて空が白々となる午前6時少し前にポイントに到着。5分ほど魚探反応をチェックしながら最初の投入の合図が出された。

 

「水深260辰如⊂しずつ浅くなります」の指示で一斉投入。オモリ号数は200号。潮流は少し速い程度で釣りにくさはない。ポイント移動毎に細かく水深とカケアガリかカケサガリかの説明がアナウンスされる。

 

興味深いのが仕掛けだ。キンメ釣りにフラッシャーサビキを使うのは初めての経験。船宿仕掛けハリス8号14臓幹糸12号枝間40cmの10本針で全長4.4叩ピンクと白のフラッシャーが魚にアピールするという。針は丸セイゴネムリの18号。当然のこと、針に餌は付けない。右隣に座った飯田さん(茂原市在住)は「実は身餌を持参してきました」と気合いが入っていた。

 

船長は魚探を見ながら細かい指示を出す。「230辰ら下に反応があるので途中で一瞬仕掛けを止めて、アタリを見ながら降ろして」と釣り方を丁寧に教えてくれる。

 

すると230辰濃澆瓩浸笋隆箸縫▲織蠅出た。グングン、と小さくお辞儀をしたあと小刻みに震えた。さらに2辰曚瓢悗妊汽潺鵐阿鬚靴覆ら数回に分けて沈めて行く。250檀婉瓩悩討咼▲織蠅出たので、巻き上げることに。同宿では巻き上げは自由裁量である。ただし、潮流の速い日には2回目の投入ができない場合も。

 

運良く両隣とのオマツリもなく、海面を最初に割って出たのはメダイ(後検寸40臓法その下に2匹のキンメダイが掛かっていた。船内ではどうやら私がファーストヒットのようで気分は最高。しかも船長からどんな感じでアタリが出たのか、と聞かれて次のように説明した。「船長の指示通りに230辰念貪抻澆瓩1分ほど待っていたらクンクンと竿先が曲がったので、その後も約2担岾屬撚爾悒汽潺鵐阿靴覆ら仕掛けを少しずつ落としていっただけ」と。

 

だが、その後は船内でオマツリが多発したり、サメに掛かった魚(キンメかどうかは不明)を仕掛け丸ごと略奪されたりで悲惨な結果に。私も持参した市販仕掛けと200号オモリをロストしたので船内で購入。1800円の大損害である。

 

船長は午前8時前にはヤリイカに転向すると決断。15分ほど走って釣り再開。11促廛薀泥里5〜7本セットのブランコ仕掛け。オモリは150号。水深は160〜170蛋宛紂ここでもサバ攻撃に遭い、仕掛けが下まで降りない人が多かった。ヤリイカの活性も低く、潮具合が悪い。

 

船長に下船後話を聞くと「水温が時化前と比べて2度も高く、19度になってしまって」と苦戦の一因を嘆いていた。ヤリイカの船中トップが6杯。私はゼロであった。その後もオマツリとサバ攻撃で戦意喪失。私は早々に戦線離脱を余儀なくされた。軽い船酔いとノリの悪いイカのご機嫌取りに疲れたためである。因にキンメの船中釣果は0〜2匹。一応私はキンメの竿頭となったことになる。

 

結局、午前11時40分に沖揚がり。皮肉にも帰港する時間になって海は凪いで静かになった。午後1時過ぎに港に戻り、二三丸名物の昼食の焼きそばを口に頬張り、船長からキンメやメダイの美味しい調理法を聞きながら、イワシのミリン干しのお土産を手に提げて港を後にした。潮具合が悪い日に当たれば悲惨な釣果に終わることは良くあること。決して船長のせいではないのだ。4月1日以降はイサキ釣りに変わるとのこと。




金沢八景一之瀬丸 ショートメバル五目釣り

 

毎年2月に入ると相模湾佐島方面では、活きたイワシを使ったメバル釣りが開始される。いわゆるイワシメバル釣りである。それが今年はイワシの入荷がだいぶ遅れているのか、なかなかスタートしなかった。3月に入ってからやっと一部の船宿で釣り開始の合図が宿HPに記載されていたが、時期が過ぎてしまい肩すかしを喰らった感じでヤル気が失せてしまった。だが、軟調メバル竿が海中に突き刺さる快感は活きた餌を使った釣り以外では見ることは出来ない。

 

そこで数年振りに東京湾で活き藻エビを使ったエビメバルを釣ることにした。数は釣れないが、良型メバルの強引を堪能できる、ちょっと酔狂な釣りを金沢八景の一之瀬丸から楽しむことにしたのが3月13日火曜日。前夜の天気予報でも最高気温が18度と4月上旬の陽気になるとか。風予報も凪で、メバル釣りにし最適かと思われた。春告魚=メバルは昔から凪の海で釣れ、と言われているだけに期待を胸に右舷胴の間に乗り込んだ。出船は午前7時だが、予約の人数9人が約20分前には揃い、少し早めに桟橋を離れた。

 

航行すること25分で最初のポイントに到着。水深27mで船長から釣り開始の合図が出された。釣り始める前に船長から餌の付け方を教わった。「藻エビの尾羽部分を丁寧に切り落として、針先は尻尾の一節部分へ抜く。抜く方向は腹側でも背中側のどちらでも良い」という。仕掛けに関してはアドバイスを受けた。「ハリスは細ければ細いほど食いはいいです。それに針は金属色を消して黒く塗るとアタリは増えますよ」と教えてくれた。市販仕掛けを持ち込んだ筆者の仕掛けの中には針が黒く塗ってあるモノは見当たらない。油性マジックで針を塗るだけでも良いとか。潮が濁っていれば、それほど問題ないだろうと思ったが、当日のメバルの活性はそれほど高くはなかった。

 

水色は濁り気味で、風も弱いのだが、天気が晴れのためか朝のうちの1時間程度を過ぎるとアタリの数も減った。私は運良く一投目で全長26cmの良型メバルを釣ることができたが、その後、2匹目が釣れたのが9時5分前。その2匹だけでメバルは打ち止めに。船中のメバルの数もトップで6匹程度と推察できた。少なくとも右舷側ではそんな程度しか釣れていなかった印象を受けた。

メバルのアタリは藻エビがビビビッと暴れた直後に穂先が震えて、竿先を聞き上げてやるとグググイーッと満月のように弧を描く感じ。ゆっくりとリールを巻くとさらに竿先が海面近くまで突っ込み、気持ちの良いメバルの引き込みを満喫できるのだ。エビメバルの真骨頂といったところである。

 

ところが、朝のうちに数回訪れていた、ビビビっといったエビが暴れるアタリは全部で5回程度。食い込みがないのでエサを確認すると、3本針に漬けてあった藻エビがすべて消え失せている。餌付けが丁寧にできないとこの釣りは餌だけ取られてしまうことも決して少なくない。船長からの釣り方アドバイスは「オモリが底に着いたら、ジッと静から待って下さい。動かすと警戒心の強いメバルは食ってきません」という。不必要な仕掛けの上下の誘いは逆効果ということだ。

 

オモリを底に着けたまま静に待っていると確かにアタリは出るのだが、そこまでで終わることが多かった。午前9時30分を過ぎると、そのアタリも出なくなり、カサゴ狙いに変更したのが午前11時15分。15分ほど移動してから水深27m前後とほぼ同じ水深で再開。すると、左隣の濱さん(東久留米市)の竿が突然大きく突っ込みで上がってきたのは良型のイシモチだ。船長はどうやら数の釣れないカイゴより数釣りが楽しめる良型イシモチ狙いに予定を変えたようだ。濱さんはその後も立て続けに5匹ほどを釣り、「これだけアタリがあるのは楽しいですね」と口元がほころんでいた。

 

私はいつもイシモチ釣りの時には置竿にする習慣がある。理由は簡単。手に持っていると最初の強い突っ込みでビックリ合わせをしてしまうから。なので、置竿で穂先がガンガン、ガクガクと2回以上続いたらゆっくり手にもってリールを巻き始めて合わせるという釣法を使っています。その方がバレる確率が非常に少なくなるからだ。

 

もうひとつ重要なのが仕掛け。メバル釣りからそのまま同じ仕掛けでも釣れるのだが、ハリスが細いメバル仕掛けをそのまま使っていると、どうしてもハリスにヨレやチヂレが生じてしまう。そのまま使い続けているとハリスが幹糸に絡むことが多くなり、付け餌のアオイソメだけが齧られて減るだけという現象が多くなる。これを解消するにはパリッとした太めのハリス、できればフロロカーボン3号以上のモノに変更した方がいい。イシモチはメバルと違って、ハリスの太さをあまり気にしない。それよりハリスが幹糸に絡んだ状態を嫌う傾向がある。針掛かりも悪くなり、良いことはない。ハリス長も20cm前後と短くても食い気に差はないようだ。

実は私の仕掛けに食い気がないため、周囲では釣れているのに可笑しいと判断して太く短い胴突き仕掛けに交換した途端にバリバリと食ってきたからだ。アオイソメは10cm程度の1本掛け、短い場合は2本掛けもアリ。誘い方はオモリが底をトントンする程度でOK。無理に大きく誘い上げることは不要である。仕掛けを交換した直後から沖揚がりの午後1時までに置竿で12匹を釣り上げて一応満足できた。残念だったのはメバルがもう少し釣れていればという点だけ。

 

この時期のイシモチは血抜きをして3分程度ですぐにクーラーBOXに入れて、海水氷で締めてやるだけで充分。あとは調理する際に、刺し身なら熱湯をかける湯引きで、その直後に氷水に1分間漬けてから水気を取り去り、ひと口大に切って盛りつければいい。塩焼きで食べる場合は、粗塩を振りかけて一晩チルド室に寝かせるといい。身がグッと締まって旨味が滲み出る。私の好きなホイル焼きも塩を振って1晩寝かせてから、翌日調理する直前に塩胡椒を再度振ってクックパッドのアルミホイルの下にまずタマネギ、シイタケを敷いてからその上に魚を置いて、バターをひと掛け乗せてから包む。フライパンに乗せて強火で5分してから弱火で3分してから火を消す。20分後に食べるとバターの風味が魚全体に行き渡ってとても美味となる。白ワインと一緒にご賞味アレ。飲み過ぎにはご注意を。

 




ジャパンインターナショナルボートショー2018inパシフィコ横浜

 

3月8日〜11日の4日間にわたってパイフィコ横浜で開催された「ジャパンインターナショナルボートショー」を今年も見て歩記のリポートをしよう。個人的に手漕ぎボートの釣りが好きということもあるが、ミニボートの新製品や買得モデルを探ってみた。毎年各メーカーの魅力的な展示モデルの中には「これはお買い得」というボートもいくつか目についた。決してメーカーからの宣伝PRのために記事は書いておりませんので念のため。

 

国産メーカーでミニボートといえば、ジョイクラフトとアキレスだろう。最初に足が止まったのがたまたのジョイクラフト。担当者の話では「実はアキレスさんに対抗して急遽特別に設定したのがこれなんです」と言って説明してくれたのが「ブルーサファイア300」である。着脱式V型フロア艇にランチングホイールが装備されて、船外機(トーハツ製)2馬力が付きで21万5000円。ボートショーの特別企画のため、3万円弱の超高圧電動ポンプや1万1000円の超高圧フットポンプなど6点の便利備品が装着されての価格である。ただし、ホンダとヤマハの船外機の場合は23万5000円となる。どれも4ストロークエンジンだ。

 

一方、アキレスはといえば、ホンダの2馬力エンジンを搭載したオレンジ色のボディが印象的なミニボートが展示されていた。ホンダマリンとのコラボセットが魅力。3人乗りの「LF-260RU」でエンジン付で価格は23万6000円+税。標準装備として、船外機キャリーバッグ、電動ポンプ、燃料携行缶などが付いている。
3人乗りだが、釣り仕様と考えると2人が最適だろう。数量限定とのこと。

なお、すでにボートショーは終了してしまったが、ジョイクラフトとアキレスのボートフェスティバルが4月7〜8日の土日に浦安マリーナで開催される。5種類のミニボートの試乗ができるイベントである。当日は混雑が予想されるため事前に電話予約をされるといいだろう。

◉ジョイクラフト ☎045-470-2211
◉アキレス    ☎03-3653-5427(マリーナ リトル オーシャン)

 

もうひとつ見逃せないミニボートならぬシーカヤックがある。すでに数年前に展示されて徐々に認知度が高まっているカヤックフィシングの足漕ぎボートである。正確にはボートではなくカヤックだが、一人乗り用のミニカヤックだ。逗子海岸にある「マリンボックス100」が正規代理店。ホビーカヤック「プロアングラー12」が正式名称。魅力なのは座面の高さが調節できるシートが標準装備されていて、足漕ぎ機能は前進だけでなく後退もできる機能が備わっているという。これも驚き。全長は3.66m、幅は0.91m。艇体重量は50kgとやや重たいが、魚探などの艤装もしやすい構造になっているため、一度漕ぎ出してしまえば安定性が高いため立ち上がってのキャステイングも充分可能だという。購入価格は44万6000円と決して安くはない。そのため、マリンボックス100では、試乗&釣りを試すことのできるレンタル艇が用意されている。事前に予約電話を入れて楽しもう。問い合せ先=046-872-1550 マリンボックス100まで。毎週火曜定休。

 

これから海は凪になる。特に5月下旬から8月頃までは台風の接近がない限り風のない凪日和が続く。ボート釣りには最適な季節が到来する。自分だけの気ままでのんびりとしたボートフィッングを満喫して欲しい。ただし、ライフジャケットの装着は必須だ。
 




小田原早川港平安丸 キンメダイ釣り

 

針数が10本近い胴突き仕掛けで鈴なりの多点掛けを楽しむ釣りと言えば、この時期ならキンメダイ釣りをおいて他にないだろう。2月中旬頃から好釣果が続いている小田原早川港の平安丸に予約の電話を入れたのは2月22日の木曜日。全船で予約乗合を実施している同宿は片舷6人までの人数制限がある。土日祝日は混雑が予想されたので23日の金曜日に決定。なんとか座席は確保できたのだが、驚いたのは出船時間だ。なんと「朝5時30分には出ますから5時には来て下さい」という女将さんの声にビックリ。2月下旬の午前5時30分はまだ真っ暗のはず。夜明け前だ。

 

案の定、当日5時10分前に到着すると、周囲は真っ暗だが、受け付けの平安丸前にはすでに数人の釣客が並んでいた。速攻で受け付けを済ませて港の駐車場に。第五平安丸に乗り込むとすでに支度が完了した釣客が数人で談笑している。12人のフル乗船であることはすぐに分かった。木曜の定休日前日の釣果がトップ60匹以上だったこともあるのだろうが、とにかくキンメファンの熱気が伝わってくる。

 

予約客が全員揃えば出船時間前でも船長は船の舫を解くことはよくあること。当日も約5分前に港を離れて、最初のポイント、真鶴沖へ向けて走り出した。風は北西風で冷たい。風は強くはないが少しウネリがある。40分ほどで真鶴沖に到着し最初の投入が告げられた。水深は165mと想定外に浅い。南房の夜キンメ釣りに狙う水深だ。早々に巻き上げたら私の8本針の一番下の針に小型のキンメが掛かっていた。下の針ほどアタリが分かりにくいものだが、ウネリと風で明確なアタリが掴めなかったようだ。

 

2投目からは280mと深くなり、いつものキンメ釣りのイメージに戻った。ただ困ったことにサバが途中で針に掛かってしまうため仕掛けが海底まで落ちない人が数人。釣れたサバを素早く捌いて餌にすれば効果抜群と聞いていたが、幸か不幸か私の竿にはサバが掛からず、船長はサバを避ける意味で大きく移動を決断。いよいよ本命場所の初島沖に辿り着いた。決戦はこれからだ。

 

周囲が明るくなった午前7時過ぎに3投目。水深は320m前後。因にキンメ釣りの場合、投入はミヨシ側から順に左右舷同時にオモリ(150号)が投げ入れるシステムである。私は右舷胴の間。ミヨシから数えると4番目。船長は潮流を考慮して少しずつ船を移動させつつ6番目までの投入を終わらせる。すると「タナは底から5〜10m上げて探ってみて」という指示が出る。当日の潮回りは小潮で午前9時頃に満潮になる。道糸の流され方をみていてもそれほど速くはない。

 

ところが、巻き上げの途中で両隣の仕掛けか道糸に絡むことが多かった。道糸だけのクロス程度なら良いのだが、魚が掛かってからの絡みは面倒。それでも船長が素早く対応してくれる。複数人が絡むと解くのに多少時間は掛かるが、船長の指示通りに対応すれば、魚のバレは少ないようだ。掛かったキンメがオマツリで外れてしまうことは私は運良く少なかった。基本的にはタモ網は魚体の下にあてがい、掬わないこと。針数が多い仕掛けだけに網に針が絡むと取り外すのに時間が掛かり、そのあとの魚体へのアスシトができなくなるからだ。

 

釣れた魚を優先させるため、時にはオマツリ解消のためにハリスを切ることもある。私の仕掛けも実は最初は8本針だったのだが、午前10時頃には6本になり、昼前には5本針で釣りづけた。もちろん、仕掛け全体をすべて交換すればまた8本針は復活するだが、すでに6匹ほどクーラーBOXにキンメが入っていたので「欲張らずに手返し重視」と心に言い聞かせて5本針で釣り続けた。それでも船長の指示通りに「反応は少し浮いているね。290mから下までビッシリだから少し上げてみてもいいよ」とのこと。

 

一番深い場所では水深340m前後まで狙ったが、初島沖は職漁船との取り決めがあり昼12時までしかできないという。天気はやっと青空が見え、波風も穏やかになったのだが「そろそろ真鶴沖に戻りましょう」という合図で早朝のポイントへ移動することに。右隣に座っていた門脇さん(目黒区)が言うには「この場所は以前クロムツの他にアカムツも釣れた場所です。しかもダブルで釣れましたから期待できますよ」と目を細める。アタリはキンメ特有の不連続に穂先を叩く、小気味良い引き。私の竿にも明確なキンメからの魚信が続く。巻き上げは自由だが多点掛けを狙う欲深さが功を奏することもある。ただし、あまり欲張ると最初に掛かったキンメが外れてしまうこともある。針穴が広がり抜けてしまう感じになる。

 

ドラマは最後の流しで訪れた。水深は320m前後だったが「300mから底まで反応があるから途中で一瞬止めてみて、強めのサミングでもいいから」というので途中で止めるとグングン、グググと竿先が不連続に大きくお辞儀を繰り返した。キンメ特有の4〜5回程度の上下動が続く引き込みが続く。1〜2mほど手巻きで巻き上げてまた止めると、同じような突っ込みが出る。「これは3点掛けかな」とひとりほくそ笑む。頃合いをみてスローで巻き上げてくると、今日一番の穂先の曲がり具合に「これはデカイのが掛かったか、それとも5点パーフェクトか」とワクワク気分が抑えきれない。船長に「ここはサメがでますか」と聞くと「ここはいないよ」と聞いて安心してスローで巻き上げを続けた。

 

海面下に見えたのはシルバーピンクの良型キンメの4点掛けであった。5点掛けではなかったが、後検寸32cmの当日最大サイズが釣れて有終の美を飾ることが出来た。最後に午後2時過ぎまでサービス残業をしてくれた船長に感謝! 一般的な乗合船の場合、午前5時30分に出航したら通常なら昼過ぎには沖揚がりのはず。遅くても午後1時過ぎには港に寄港するもの。それが小田原早川港の釣船は商売熱心なのか親切なのか、実釣時間がとても長い。釣れないと辛いが釣れる確率が高まるとも言える。今回はまさに後者だ。最後の流しで最も数と良型が釣れたのだから最後までチャンスを前向きな気持ちが大切であると痛感した。当日の船中トップは右舷ミヨシの人で40匹。私は13匹で大満足。オリンピックのメダル数と同じだ。

 

キンメは刺し身なら凍り付けのクーラーBOXに3日間ほど漬けて熟成を待つ。旨味成分が放出する2日目〜3日目が最高。煮付けでも2日間は寝かせたい。ただ鍋料理で食すなら当日でもイイかもしれない。春の濁り潮が本格的に入ればもっと数が釣れるようになるだろう。小田原沖、初島沖のキンメダイはまだまだ好釣果が続くだろう。150号のオモリを背負えるイカ竿かビシアジツ尾があればあとは電動リールに4号400m巻いてあれば問題はないはず。ぜひ挑戦してみて欲しい。

 





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