三崎港いわき丸 アコウダイ釣り

 

5月と言えばマダイの乗っ込みが気になる季節だが、深場好きの釣りファンには深海500mのアコウダイの方が気にかかるのだ。そんな深海好きの釣り人を案内してくれるのが三崎港のいわき丸。4月29日の土曜日に三崎港北條湾の岩壁に集まったのは7人。アコウダイをこよなく愛する山田君の釣り仲間5人を中心に午前7時30分過ぎに城ヶ島沖に繰り出した。当日は南風が昼前から強く吹く予報だったが、朝は無風ベタ凪で快適な海上だった。約30分足らずのクルージングで最初のポイントに到着。

 

ほどなく水深530m前後で釣り開始。ミヨシから順番に投入の合図が告げられ、サバの短冊を付けた8本針が深海の海へ旅立つ。時計の針はすでに8時をとうに回っていた。この深海釣りが初挑戦の人も3人ほどいて、その中には私がフェイスブックで知り合いになった国分寺市の伊東さんも乗り込んでいた。いわき丸では、なんと電動リールを含めたロッド、オモリ、バッテリー、さらには仕掛けを並べるマグネットもすべて無料でレンタルできる。それを利用して楽しんだ伊東さんはビギナーズラックを独り占めすることになる。それも釣りの醍醐味のひとつであろう。

 

最初のポイントでは、アタリがあったものの海面に姿を表したのは招からざる獲物、サメであった。数人がサメを外して仕掛けを船縁に並べて2投目。それでも釣れてくるのはゲストばかり。針に付けたタコベイトを少し減らしても貪欲な深海ザメはサバの短冊に食い付いてくる。竿先に出るグングン、ゴンゴンという突っ込みで「何か掛かった、結構引き込んでる」と期待は膨らむのだが、裏切られること2回以上。ガックリだが、船長の指示通りに中錘を活用して仕掛けを少しずつ、這わせるように道糸を送り出す操作をすることで、魚に喰わせる工夫ができた伊東さんはサメの2点掛けを達成。

 

それでも船長からはこう言われた。「今回はたまたまサメに喰われたけど道糸を送り出して餌をうまく喰わせた結果だから決して悪くはない」と。こうしたアドバイスをしてくれる船長はたぶんそう多くはいないだろう。基本的な深場の釣り方、アタリが出てからの釣り方ができているから掛かった。それがたまたまサメだっただけ。船長はそう言いたかったのだ。

 

午前11時前には天気予報通りに南西風が少しずつ強くなり始めて海上も波だってきた。そんな5投目当たりだったか、ついに本命らしきアタリが伊東さんのレンタルロッドに訪れた。海面直下に白っぽい魚体、徐々に赤くなりついに浮かんだのが本命アコウだ。伊東さんが取り込んだ全長50cm近い良型のアコウダイは深紅の美しい姿で船内に取り込めた。初挑戦で初めてのアコウダイを釣り上げたのは船中ただひとり、伊東さんだけ。写真撮影に船長や山田君らもカメラやスマホでシャッターを切り、感動の瞬間を収めることができた。良かった、遠く国分寺市から片道2時間をかけてクルマを走らせて来た甲斐があった。自分が釣れた以上に嬉しかったのは間違いない。

 

周囲では、それまでのゲストにトウジン、シマガツオ、オキギス、深海アナゴは定番に近いものがあるが、当日のサプライズはなんとタカアシガニだ。これは仕掛けのハリスに足が絡んで上がってきたのだが、深海釣りでは私は初めてタカアシガニを見た。釣れたというより掛かってきただけだが、手に入れたのは私ではなく反対舷の釣り人だった。オマツリで上がってきたため判断しかねたが、針の色、仕掛けのハリスやサルカンを確認すれば分かる。新鮮な採れたてのタカアシガニをアコウダイ釣りでキャッチした釣り人はたぶんこの海域では他にいなのではないだろうか。もしかしたらアコウダイより浜値は高価だったりして。

 

その後、南西強風が強くなる予報を心配して、船長は午後1時10分過ぎに沖揚がりを決断。伊東さんのアコウダイ1匹でジ・エンドとなってしまった。これも深海釣りの厳しい現実だ。乗っ込みといってもマダイのようにコマセを撒けばバリバリ釣れる魚ではない。色々な釣りを経験してきた筆者が語るのもおこがましいのだか、「運、根、勘」が重なると釣れる、それがアコウダイだと思った方が気が楽である。ただし、船長のレクチャー通りに基本操作ができないとその確率は低くなる。

 

最後に味覚の話だが、伊東さんの話しによるとゲストに釣れたトウジンの肝醤油和えがとても美味だったとのこと。アコウダイを刺し身で食べる場合は、氷り漬けのクーラーBOXに少なくても2日、できれば3日ほど放置してから包丁を入れて刺し身にするとかなり旨味成分が放出されて、絶品の味わいを満喫出来たのではないだろうか。とはいえ、深海500mの美味魚を初めて手にできた伊東さん、もう戻れませんよ。「地獄の楽しみ?と究極の味覚を知ってしまったのですから」。これからも悪魔からの止めどない享楽のお誘いがあることを幸せに思い、アーメン。(笑)

 




野比海岸貸しボート秀丸 ボートカレイ釣り

 

GWに入る前にもう一回ボートでカレイ釣りをしたいと思って約9年振りに訪れたのは三浦半島の野比海岸にある「貸しボート秀丸」である。しかも、4月にカレイ釣りに来たことはこれまでにない。完全な挑戦メニューといっていい。サッカーの試合で言えばアウェイでのボート釣りだ。魚探もなければポイント攻略の実績も皆無。これまでのボート釣り経験がどこまで活かせるか、ギャンブル要素は強かった。当日の天候は晴れだが北東の風が風速3〜4m。ボート店の女将さんが言うには「ここはね、山を背負っているから北東風には強いんですよ。今日は徐々に凪になる予報だから大丈夫ですよ」と背中を押してくれた。

 

だが、カレイの居るポイントが分からない。津久井浜方向にあるノリ棚付近で釣ろうと考えていると「ノリ棚からは200mは離れて釣って下さい」とこの海域のルールとマナーを聞かされて不安になったものの、カサゴ狙いのボート付近を外して砂地帯を探せればなんとかなるだろうと漕ぎ出したのは4月23日の午前7時15分過ぎ。ノリ棚のブイが浮かぶエリアを津久井浜方向に漕ぎ出して、約13分漕いでめぼしい場所にアンカーを投入した。ノリ棚の最も津久井浜寄りの角地のブイから約200m沖側で釣り開始となった。

 

まずはボート直下に1本目の両軸リール付ロッドにアオイソメとオレンジイソメ(購入先はエサのつり王☎046-874-5522)をたっぷりと付けて投入。オモリがボートの揺れでトントンと叩く位置にセットして置竿に。2本目はスピニングリールに1.6mの短竿でチョイ投げをしてアタリを待つ。干潮時間が9時4分頃だったため、時合に間に合うように3本目のスピニングリール+振り出し式パックロッドを準備して、15mほど投げて置竿にする。3本目の仕掛けを投入し終わったのが午前8時15分頃。これで迎撃態勢は整った。ボート直下のリールをゆっくりと巻き上げて水深を計測すると、約10mあることが判明。水深的には間違いない。ポイントは外していないと心に誓ったが、まだ不安はあった。北東風が冷たく、時々強く吹くため晴れていても寒いのだ。

 

岸方向に向けてチョイ投げしたロッドが小刻みに震えたのは干潮時間の直前だった。ロッドを手に取り少しだけ巻き始めるとグイグイッとカレイ特有の魚体を波打たせている感覚がてに伝わってくる。慎重にゆっくり、強い引きをいなして海面近くまで浮いてくると、紛れもない茶色の魚体が現れた。タモを右手に持ち替えて掬おうとするがハリスが1m近くあるためか、なかなか網の中に入らない。海面で左に走りながらタモを嫌うカレイに対して2回目になんとかタモ入れが成功。ホッとひと安心。魚体をみるとマコガレイではなく、ムシガレイであることが分かった。本命ではなかったが初挑戦の場所で釣り上げた獲物はことの他嬉しいもの。自分の狙ったポイントで掛けた魚はゲストであっても満足感は高い。計測すると全長33cmあった。肉厚の魚体は産卵後の荒食いシーズン特有の姿と言っていいだろう。刺し身で食べられるサイズだ。

 

ここで不思議なのがオモリの色。前回も金田湾つりの浜浦で釣り上げた40cmのマコガレイも白塗りのオモリに食ってきた。これまでカレイやアイナメは赤いモノに好反応を示すと言われてきたが、実は赤より白が好きらしいということがこれで証明できた。白好きはカワハギだけではなかったのだ。

 

ムシガレイを釣り上げてから約15分後、このオモリを赤から白に交換しようと思って仕掛けを回収しようと思ってリールを2mほど巻き上げた途端にゴンゴン、グイグイと突っ込むアタリが訪れた。もう1本の短いロッドの方に何か喰ったようだ。PE0.8号の道糸にリーダーを2.5号3mほど結節してある。道糸より2.5号のリーダーの方が少し不安だったが、以前外房大原で30cm級のマダイをひとつテンヤで釣り上げているから大丈夫だとは思っていたが、その時に突っ込みを上回る強引な引き込みで危機感を覚えた。ロッドの先端付近を海面に没するように沈めて対応したが、ゴンゴンと突然首を振るような元気一杯の引きには焦った。3回ほどの強烈な引き込みを交わして海面に浮かせたのは緑色の胸ビレを広げたホウボウだった。赤いスパイクオモリを付けた仕掛けがホウボウはお好みだったのかもしれない。

 

その後は魚からのアタリはなく、時々グレーのヒトデがポツポツと釣れるだけ。1回だけ針のチモトが切られたのがあったが、たぶんフグの悪戯だろう。150gの両方のイソメも残り少なくなった。午後11時過ぎにはポイントをボート乗り場方向に移動して釣りを位階してみたが、ここでもアタリは皆無。結局、午後2時10分で沖揚がりに。ロッドを1本ずつ片付けて、2時30分の着岸時間に間に合うように漕ぎ戻った。

 

ボート店で魚体の手持ち写真を取ってもらい、秀丸のツイッターに載せてもらった。初挑戦でムシガレイ33cmとホウボウ31cmの2匹だけだったが、満足感は大きい。それは自分が選んだポイントで釣り上げたからだ。時合を逃すことなく粘った釣り方が功を奏したといってもいいだろう。潮変わり直前直後の時合、その後、2時間はポイント移動をしないこと。また、砂地帯をうまく探し出せたのも運が良かったといえよう。野比海岸はメガカワハギの聖地とも言われている。9月に入ってからまた訪れたい海域である。

 




金沢八景弁天屋 午前ライトアジ釣り

 

今年の4月は中旬になっても寒暖差が激しく、不安定な天候が続いた。それでも東京湾のビシアジの釣果は絶好調の日が多く、初夏に向けて最高の味に達すると言われるだけにほぼ釣果が確実なビシアジ釣りに出掛けたのが4月16日の日曜日。
実は前日の土曜日に南西強風が吹き荒れて海が荒れ模様ということで日曜日に変更したのが正直なところだ。足を運んだのは金沢八景の弁天屋。サクッと数釣りをして早めに自宅に戻ろうと軽く考えたのが間違いのもと。午前ライトアジなら時間的にも体力的にも楽だからだが、もっと言うと、弁天屋では60歳からシニア割引が使えるのだ。経済的にも負担が軽くなるシニア割引にすると乗船料金はなんと5100円になる。これは助かる。

 

さて、前日の暴風の翌日だけに出船1時間前に到着したにもかかわらず、ほぼ満席状態とは驚いた。片舷12人で両舷で24人は確実に乗っていた思われる。水深の浅いライトアジとはいえ、これではオマツリは必至。仕掛けの予備はいつも10組以上は持参するが、どうなることやら。ただ天候だけは北風微風で凪。海面もフラットで他船の引き波でも来ない限り横揺れもほとんどない。爽やかな春らしい海には桜の花びらがチラホラと浮かんでいた。

 

船長は定刻7時15分より10分ほど早く桟橋を離れて、最初のポイントに向かった。航行すること約20分で到着。魚探反応をチェックしながら投入の合図が出されて、40号ビシに付いた3本針のアジ仕掛けが海中に沈んで行った。水深はやや深く38m。指示ダナは2mだが、3mまでは探ること。潮具合によっては若干浮き気味になることもあるからだ。ところが、2mでも2.5mでもアタリは出ない。周囲でもアジが釣れている様子はない。案の定、南西強風後の水温低下と澄み潮の影響か、アジに元気がないのだ。

 

午前8時過ぎには早々にポイントを移動。水深30mで釣り再開となった。そのポイントではポツリポツリと小アジが釣れ始めた。全長20cm弱の小ぶりのサイズが釣れるのだが、どうにも引きが弱い。活性が低い時には海面でバレてしまうことが多いが、当日もその傾向が顕著だった。海面からアジを抜き上げる直前に針が口から外れてしまう。魚が見えているだけに悔しいことこの上ない。

因に、宿支給の付け餌は赤タンとアオイソメが少量配られるが、どちらにも掛かってくる。もし、潮が濁っていればアオイソメが有利だが、赤タンにも良く釣れていたのでやはり澄み潮加減だったのかもしれない。また、途中からオマツリを少しでも回避するために2本針の仕掛けに交換した。

 

アタリが少しだけ多くなったのは午前10時頃から。ビシが着底して1m巻き上げて最初のコマセを振り、さらに1m上げて再度コマセを振り出して、10秒ほど待つとコココッとアジ特有のアタリが出て、釣れるのだが型が小さい。平均すると全長18cm弱といった感じだ。それでも、アタリが頻繁に出ると楽しいもの。リールをゆっくり巻き上げてビシをコマセ桶に入れて、ハリスを弛ませないようにして取り込むとうまく取り込めるようになった。だが、針の掛かりどころを確認すると下あごだったり横に刺さっていたりと、低活性の時にありがちな外れやすい箇所に掛かっている。船内に取り込んだ直後にポトリと外れることも多かった。

 

左隣の斉藤さん(横浜市)は「アジ釣りは今日で2回目なんでなかなか上手く掛かりません」と言いながらも早い段階でアジを釣り上げていた。貸しタックルのリールのクラッチ操作が良くわからずにリールを巻いていたが、仲乗りさんにコツを教わり、その後は苦労しつつもポツポツと釣っていた。

 

喰い渋りの時間帯は最後まで解消せず、午前10時45分には沖揚がりに。当日の船中トップは28匹、私もなんとか14匹まで数を増やせた。ゲストは定番のイシモチが多かったが、私には全長25.5cmのムシガレイも釣れた。当日の午後船の釣果は喰い渋りが回復して15〜73匹だったという。南西強風の翌日の午前船は食い渋りになる傾向があることを再認識させられた日となった。

 

とはいえ、14匹のアジに23cmのイシモチ、25.5cmのムシガレイが釣れたのだからお土産としては決して不満はない。欲を言えば、もう少し型の良いアジが数匹でも混じってくれればという願いはあった。自宅に戻り当日は刺し身とタタキにして、翌日は塩焼きにして食べたが、旨味は鉄板。間違い無しという印象だ。ムシガレイはフライパンにアルミホイールを敷いてバター焼き=ムニエルにしたが、これも上品な白身にバターが染み込んで旨かったことを付記しておこう。焦げ付き防止にタマネギを下に敷くことがポイント。

 

これから初夏にかけてアジは年間で最も脂が乗り、味覚が最高潮に達する。短時間で手軽に楽しめるライトアジは凪の続いた2日目以降に釣行されることをオススメする。なお、弁天屋では3人以上の場合は連座で座れるように配慮してくれるので前日には電話を入れた方がいい。ただし、予約は受け付けていない。

 




金田湾つりの浜浦 ボートカレイ釣り

 

春に3日続く晴れ間無し、といわれるほど天候にムラがあり寒暖の差はもちろんのこと風の強さや向きも不安定なことが多い3月下旬。その3月の中でも最も安定していそうな3月30日木曜日に今年初のボート釣りに出掛けることができた。

 

狙いは戻りガレイ、いわゆる花見カレイである。足を向けたのは金田湾のつりの浜浦。このボート店は平日にポイントまで船外機ボートで曳航してくれる無料サービスがある。特に金田湾のカレイのポイントは手漕ぎではかなり遠いためこの曳航サービスがあるか否かはとても大きい。体力的にも時間的にも大きなメリットがある。3月下旬では午前6時30分から曳航してくれるようだが、当日筆者がボート店に到着したのは6時40分過ぎ。ゆっくり支度をしてボートに乗り込んだのは7時を少し回っていた。早速店主の船外機ボートで円形のイワシ生け簀近くで連結ロープが解かれた。

 

イケス周辺には死んだイワシが海底に散乱して、それを捕食するヒラメやマゴチなど多彩な魚種が集まると言われている。ただし、近くにはイケスを固定する係留ロープが沈んでいるためあまり接近するのはマナー違反でもあり、アンカーがその沈んでいるロープに絡まる可能性もあるため50m前後は離れること。後方には定置網のブイが多数浮かんでいるので、その中間付近にアンカーを投入して釣りを開始した。時計の針は7時30分を過ぎていた。風は弱い北風から南風に変わる予報。南風が昼過ぎには強まるとか。

 

まずはボート直下を狙う1本目の竿に仕掛けをセットして水深10mの海底に投入した。付け餌はアオイソメとオレンジイソメのミックス。当日は両方で140gを津久井浜にある「エサの釣り王」で購入。料金は税込み1089円。10gで72円は良心的な価格だ。3本の竿を出すのが常識と言われるボートのカレイ釣りだが、直下狙いのリールは小型両軸リール。道糸はPE1.5号の100m巻き。他は小型スピニングリールと振り出し式パックロッドの組み合せを使用した。軽くチョイ投げで広範囲を狙うためだ。

 

3本の竿を出し終わると、後は投入した仕掛けを5〜10分に1回の頻度で手前に引きずる。これで仕掛けと餌の位置を移動させることでカレイにアピールする。今回はいつも使っている赤塗りのスパイクオモリ25号だけでなく、カワハギ用の白塗りの小田原型市販オモリも使ってみた。実は茨城県の某船宿のHPに「白色オモリにカレイが好反応」と書かれていたのを思い出したからである。その効果が気になって使ってみたのだが、それが最後に功を奏するとはその時は思わなかった。

 

さて、最初のアタリは直下狙いの竿にきた。最初は根掛かりを感じて道糸を手で引っぱり外した直後に、ゴンゴン、と首を振る生体反応にピックリ。慎重にリールを巻いてくると海面に顔を見せたのはアナゴであった。計測すると43cmはある。美味しい東京湾のアナゴは当然キープである。しかも、カレイ針13号をガッチリと喉の奥まで飲み込んでいたからこれは仕方なく、ハリスを切って氷の入ったクーラーBOXの中へ。日中にアナゴが釣れる時は潮が暗く、濁っていると言われている。アピール度の高い仕掛けが有利と想像できた。

 

その後はエサが取られるものの大きな針に掛かる魚のアタリはない。雑魚が海底でついばんでいるだけ。時々灰色のヒトデが掛かってくるが、カレイ釣りの税金のようなものと諦めている。仕掛けを長い時間放置すると、ほとんどヒトデに餌を横取りされてしまう。消耗は激しいものの魚の活性は悪くないようだ。

 

当日の潮変わりは午後12時15分前後。カレイは潮変わり直前直後に喰ってくるという習性がある。それが現実になった。チョイ投げで置竿にしていた竿がよそ見をしていた直後に、ガタンと動いたのだ。また風と潮流具合で倒れたのだろうと思って竿を手に取り、少しだけリールを巻くと、ゴンゴン、ググンと引っ張るではないか。マジか、掛けたのかもしれないと思い、慎重に再度巻き続けると間違いなく、カレイらしき魚信に心が躍った。まさか、この時合にピッタリに来るとは。海底10m下からゆっくりと巻き続けると海面直下には焦げ茶色の魚体が。間違いなくカレイだ。タモを手に取り、突発的な突っ込みをうまく交わしてタモに納めてホッとひと安心。正直に言えば「ポイントを一度も移動せずに粘った甲斐があった。報われたな」という気持ちで一杯になった。

 

その後は、南風もソヨソヨ程度で釣り続けることはできた。だが、140gのイソメ2種類は午後2時過ぎには底をついた。最後に上がってきたのは可愛いイイダコでジ・エンド。帰り支度を進めていると、運良く店主が船外機ボートで迎えにきてくれた。なんと帰りも曳航してくれるとはラッキー。午後2時15分に着岸して終了となった。

 

陸に上がって女将さんに写真を撮影してもらって色々と話しを聞くと「今日、カレイを釣ったのはあなた一人だけですね」という。メジャーで正確に計測してもらうと全長40cmとのこと。たぶん、筆者の自己記録更新サイズだろう。参考までに釣れた竿の仕掛けには白塗りの25号オモリが下がっていたことを付記しておく。

 

例年戻りガレイは通常なら5月GW頃まで充分期待できるはず。3本のロッドと白塗りオモリ、140g以上のアオイソメを持参してボートのカレイ釣りに挑戦してみてほしい。今年はイケるかもしれませんヨ。キーワードは「潮変わり時間にはポイントを移動しないこと」である、と断言しておこう。参考までに、水深10m下の海水温は13度であった。

 




片瀬漁港萬司郎丸 LT中深場根魚五目釣り

 

3月も中旬を過ぎる頃になると相模湾にも春の濁り潮が差し込んでくる。折しも3月10日頃から小田原沖でキンメダイが群れで回遊してきたらしく、初島沖ではなく、灘寄りの浅いポイントで好釣果が続いていたのを釣果情報で確認していた。そこで混雑する3月18日からの3連休を避けて17日に片瀬漁港の萬司郎丸からLT根魚五目釣りの乗合船に乗り込んだ。平日とあって右舷2人で左舷は4人の乗船客。船長は定刻より20分も早くを港を離れて一路好釣果が続く、小田原沖を目指した。航行すること約80分。海はほとんど無風ベタ凪だから快適なクルージングで向かった。すると、そこには小田原船籍だけでなく、茅ヶ崎港や平塚港周辺の釣り船も船団を形成していた。

 

船長は「はいどうぞ、やって下さい。水深は180〜190m前後」のアナウンスで一斉に150号のオモリに引かれて仕掛けを投入。萬司郎丸では、珍しく深場釣りでも全員が一斉に投入するスタイルを取る。これも初心者には気が楽である。針数も「タナを広く探れるから10本でもいいですよ」とは船長の弁。私は7本針でスタート。

 

オモリが着底して底から5mほど巻き上げると、すぐに穂先を不連続に叩くキンメ特有のアタリが出て、幸先良く2匹のキンメダイをキャッチできた。型は大きくはないが、1投目から本命が釣れるのは嬉しいもの。次ぎの投入でも2匹掛けを達成し、早々に4匹をクーラーBOXに入れた。途中からの投入も自由だからキンメ釣りが初めてでも慌てることはない。たぶん潮流が速くないというからという恩恵もあるのだろう。

 

さて、3投目には30cm級のマサバも2匹掛かり、キンメダイと同じタナで釣れてくる。最近では、アジ釣りに行ってもサバがほとんど混じらないことが多く、久しぶりのマサバは大歓迎。指でエラを千切って血抜きをしてから海水氷の入ったクーラーに納めた。もちろん、エサ用として切り身にしても良かったが、船宿支給のデッドヘイトのカタクチイワシで充分アタリが出ていたのでその必要を感じなかった。また、自宅から生のヤリイカを前夜に短冊にして持ち込んでいたので、潤沢な付け餌があったため釣り上げたサバは刺し身で食べるために持ち帰ったというわけ。

 

午前9時前頃からアタリが少し遠くなったが、ポイントを移動すると30分後には再びアタリが出るようになった。今度は底上げ10m〜15m近くでもキンメからのアタリが頻繁に出るようになった。底潮が適度に流れていて、濁り潮のためか待望のスミヤキ(標準和名=クロシビカマス)も釣れてきた。細長い魚体だが、全長50cm以上ある良型も混じった。皮側に小骨が縦横に走る特異な魚だが、スプーンで身肉を削り取るように剥いでナメロウにすると絶品ということを知っている根魚ファンは多いはず。白身だが、上品な甘みもあり貴重な美味深海魚といっていい。

 

船中でも飽きない程度にポツポツとキンメを筆頭にスミヤキやクロムツが釣れていたようだ。中でもロッドを満月に曲げて電動リールのドラグを効かせて慎重に取り込んでいたのは右舷ミヨシの松井さん(藤沢市)だ。海面近くまでグイグイと強引な突っ込みが衰えない。間違いなくメダイだと信じてタモに収まったのは推定4kgはあろうかと言うメダボなメダイだ。これは松井さんもビックリ。破顔一笑の大物に撮影の協力をしていただいた。

 

ほとんど無風で晴れだから最高の釣り日和に恵まれたが、大概そうした釣り日和の日には潮が流れず、貧果に終わることが多かったが、3月17日は違った。しかも、底立ちを取り直す回数は少なかった。それより船長からの指示で「20mくらい上にも反応出てます」という。183mからさらに10m上、つまり170mでも喰ってくることがあり、私は驚いた。これまで小田原沖でキンメダイを釣った経験は何度もあるが、灘寄りの水深170m台でキンメダイを釣った経験はない。群れで行動することが多い魚だが、ここまで浅い場所で釣れるとは。いままでなら初島沖付近では250〜280m前後が平均的なタナのはず。それがここまで浅いと手返しの点でも有利だ。

 

ただ、何度も仕掛けの投入を繰り返していると、8号のフロロカーボンハリスでも縒れが出て、魚が掛かれば回転しながら上がってくるので縮れて手前マツリも頻繁に起きるもの。途中からの投入も可能だから縒れたハリスは針ごと交換してから落ち着いて再投入すること。これだけで魚の食いは違ってくる。当日は無精者の私も針付ハリスを何本も交換したことは言うまでもない。ハリスの縒れは食いが落ちる最大の原因となるので要注意である。

 

午後1時30分に沖揚がり。最後の流しでもスミヤキとマサバが釣ることができて大満足で港に戻った。船中トップはなんとキンメ釣りが初めてだと言う川崎市の岩崎さんの23匹。良型のクロムツも値千金だ。私はキンメ13匹にスミヤキ3匹にマサバ5匹と久しぶりの大漁で気分最高。近所の魚好きの坂部さんへお裾分けもできた。

 

最後にキンメダイの美味しい食べ方をひとつ。刺し身で食べたいならクーラーBOXに丸2日は寝かせたい。旨味成分が滲み出すのに時間がかかるからだ。初日にどうしてもというなら一度軽く素焼きをしてから煮付けにすると旨味を閉じ込めた煮付けにありつけるからお試しあれ。スミヤキはナメロウと少し面倒だが刺し身で食した。その他に西京漬にも挑戦。味噌は田舎味噌に白味噌を7対3の割合で混ぜて、ミリンを適当に掛けて溶くといい。その前に三枚に下ろした身を皮側から細かく骨切りをする手間がある。この骨きりさえマメにやればたぶん美味しい、と思う。実は今晩食べるのでまだ未知の味覚なのである。ネットで調理法も色々と検索できる便利な時代になったものである。

 

オマケ情報をひとつ。萬司郎丸では朝受け付けをすると、必ず「リベンジ券」を1枚もらえる。しかも、次回は7000円で乗船できるというから嬉しい。利用期限が記載されていない点も船宿の心遣いだろう。今現在、港内の駐車料金は無料になっている。

 





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